ブレスワーク、世界と日本のあれこれ

ブレスワークのお話 Sep 09, 2019

「ブレスワーク」と一言に言っても、その方法や打ち出し方、大切にしているポイントなどは、実に様々です。

ブレスワークの生みの父は、チェコスロバキア出身の精神科医、スタンレーグロフ博士(英語版の個人サイトは、こちら)。グロフ博士は、1970年代から、「ホロトロピック・ブレスワーク」と名付けて、ブレスワークを体系化し、今でもご高齢ながら広めています。彼の言うブレスワーク=「普段より早い意識的な早い呼吸」+「刺激的な音楽」+「エネルギーと感情をリリースするボディワーク」というフォーミュラ。(グロフ博士の書いたブレスワーク英語概要文は、こちら)

現在では、グロフ博士オリジナルのブレスワークを大元にしながらも、西欧を中心に、我流のものが次々に出現しているのが、現状です。ヨガを取り巻く状況と照らし合わせると、分かりやすいでしょう。インドで体系化されたヨガは、世界中に広まり、現在では「アシュタンガ」「クンダリーニ」「陰ヨガ」など、様々な流派が世界中に広まっています。ブレスワークもまさにそんな状況で、時に紛らわしく戸惑いを覚える方もいるかもしれません。

どのブレスワークも、グロフ博士が確立したブレスワークと類似していますが、若干違う伝え方をしているガイドや団体もあります。呼吸法そのものが違ったり、音楽を用いない人たちもいたり。百花繚乱とも乱立気味とも受け取れる、現在のブレスワーク事情。ここでは、私の知る限り、様々なブレスワークをまとめてみました。

海外:アメリカ、ヨーロッパなど

 

▶︎Clarity breathwork
https://claritybreathwork.com

クラリティー・ブレスワークは、アメリカ人のDanaとAshannaの二人の先生が代表の団体。世界各国でガイド・トレーニングをやっていて、私が以前住んでいたコスタリカのノサラの街にあるOSHOコミュニティー、Pachanmamaでも定期的に開催していました。女性的なヒーリングに趣を置いていて、かなりお行儀がよく、お上品な感じ!?特に女性たちに人気があり、日本人の方々もコースを取られた方が多いようです。

 

▶︎Biodynamic breath
https://www.biodynamicbreath.com

ウクライナ人、NYに長く滞在した Gitenが率いる団体。こちらも世界各国でトレーニングを行ない、モジュール形成もしっかりし、ウェブセミナーも行なっていて、近年、組織も大きくなってきています。私も「呼吸の解剖学」のクラスをウェブセミナーで受講したことがあり、この手の勉強がオンラインでできることに感動しました。手法としては、トラウマ・リリースにフォーカスしたものです。私が最初に受けたブレスワークのセッションは、このビデオに出てくる生徒のポールによるガイドで、それはそれは衝撃的で、そこから私のブレスワーク人生が始まったのでした。

 

▶︎Breakthrough Breathwork 
https://breakthroughbreathwork.com

ブレイクスルー・ブレスワークは、私の先生アメリカ人のアシュリー・ルドマンが使用している名称。彼女も、Clarity BreathworkのDanaとAshannaから学んだ一人。今ではコスタリカの人里離れた手付かずの海辺の海岸、それにNYのダウンタウンを行き来しながら、グループおよび個人セッションを行なっています。

▶︎Alchemy of Breath
https://www.alchemyofbreath.com

ソフトで優しい語り口でガイドしてくれるのが、Alchemy of Breathの アンソニー。主にヨーロッパ、それからバリでもトレーニングをやっています。日曜日には、無料のオンライングループセッションがあり、先週、私が参加した時には、世界中から89人が参加していて、とてもパワフルでした。ブレスワークとは何かのプチ経験をされたい方には、良い機会かもしれません。

 

▶︎Erin Telford
https://erintelford.com

Erinは、私のブレスワーク仲間のAlixが好きなブレスワーカーであり、ヒーラー。呼吸の方法も、「お腹に吸って、胸に吸って、そして吐く」という二段階呼吸で、王道のブレスワークとは違います。レイキやお香(インセンス)なども組み合わせ、かなりスピリチュアルな色が濃いのも特徴です。

彼女の先生の David Elliott は、昔からブレスワークを広めている人で、彼を師匠にして活動している人も多くいます。この大人数、見て下さい!

▶︎ほかにも、、、

ブレスワークには、ほかにも Rebirthing Breathworkや、Shamanic Breathworkなどもあり、本当に乱立状態とも言えますが、どれも感情やトラウマのリリース、生命力の回復、魂の覚醒などの効果を謳っているようです。

また最近では、オンラインでブレスワークをガイドする人たちも増えています。

 

日本の個人・団体

世界中で盛り上がりを見せるブレスワーク、日本ではまださほど確立されていますが、私が知る限りのことをピックアップしてみました。

▶︎C+F研究所
http://www.transpersonal.co.jp/p/holotropic/

シープラスエフ研究所は、アメリカ人のティム・マクリーンさんが立ち上げた自己変容のサポートを目的とする組織で、日本でいち早くホロトロピック・ブレスワークを紹介し、セッションもされていました。今は、バイロン・ケイティのワークやエニアグラムを広める活動をされていて、ブレスワーク自体はされていないようですが、一応、老舗としてご紹介。

▶︎イーハトープ心身統合研究所
http://iihatobu.com

清水友邦さんのサイト。”サトルボディ・アウェアネス・ブレスワーク Subtle Body Aareness Breathwork”と名打って、セッションをされているようです。

▶︎茂田博子さん
https://www.aluna.biz

もだひろこさんも、ご紹介した Clarity Breathworkのトレーニングをされて帰国されたお一人。特にビジネスパーソン向けに、関東を中心にセッションを開始されています。

 

私が知っているだけでもこれだけあるわけだし、最近、本当にブレスワーク、盛り上がってきているので、これからも乱立状態が続くことが予測されますね。

何れにせよ、ブレスワークは他のどんなセッションもそうだけれど、ガイド個人がどれだけ安心した場所を作れるのか、その力量による所が大きいですね。なので、「ブレスワーク・ジャパン」は、「ノンセクト」とでも言おうかな。ある程度の手法は共有しながらも、それぞれのガイドの個性を大切にして、「呼吸でつながる大きな輪」となっていくことを願っています。このとてもシンプルでパワフルなヒーリング・ツールが日本でも広まっていくことに、大きな意義と使命を感じながら。