壮大な音楽と共に、もえさんの力強い声で呼吸のガイドがスタート。
ジャングルの中をズンズン進んでいくようなディズニーランドのジャングルクルーズで流れていそうな雰囲気の音楽が流れる。
「さあ、旅に出るぞ~!」という、とてもワクワクした気持ち。
最初は大きく吸って吐いての呼吸を繰り返す。
手漕ぎボートを自分の吸って吐いてのタイミングに合わせてオールを前後に漕いでいるイメージ。ゆっくりと進みだす。
大きいリズムの呼吸からだんだん細かい呼吸へと移る。一生懸命漕いでいるイメージ。
吸って止めて、一気に吐いて止めて、、、の呼吸を繰り返す。
止めているときはすごく苦しい。
「あとでいくらでも休めるから今は苦しいけど頑張って」みたいなことをもえさんが言っていた。なるほど、確かにそうだ。
止めてるときは苦しいけど、一気に吐き出すとき一緒に声も出すととても気持ちいい。
みんなの同じように吐き出す声が聞こえて安心する。繋がっている感覚がある。一人じゃないんだ。
肩から指先まですごく痺れていて、身体の感覚が不確かになっている。
そしてとても冷たい。
寒いとは違う、腕がなくなってしまったような感覚を失った冷たさがある。
ずっとビリビリという感覚だけが身体という概念を定義している。
このビリビリはきっと生き物としての振動なんだと気づく。
見えないけど、絶えず自分もみんなも振動をしている。
普段感じることが出来ないけど、自分の振動を強く感じた瞬間だった。

ふと気が付くと、もえさんのガイドの声が聞こえなくなっていたことに気が付く。
その頃にはボートはかなり遠くまで来ていて、プカプカと浮いていた。
2人乗ってやっとのサイズのボートがウユニ塩湖のような湖に静かに浮かんでいた。目の前には、「私」が座っていた。
まずハグをしてくれた。身体と身体がピタッと重なり合い混ざり合う。「あ、これが統合か」と思った。やっと出会えた感覚がある。
「自分を許したいって言ってるけど、もうとっくに許してるよ。」
まずこれを言われた。
今回の参加意図は、「過去の自分を許したい、許せないことすら許したい」だったんだけど、すぐに答えが出てしまった。笑
「私」はとてもあっけらかんとして言っていた。
きっと許さないことに執着していたと思う。
許さないことで現実を生きる自分を保っていたと。でもそれすらも手放していいんだと教えてくれた。
この言葉で一気に涙が溢れて、そこからはずっと涙は流れ続けて、昂ったり少し落ち着いたりを繰り返していたと思う。
言葉として伝わってくることもあるけど、イメージというか感覚として伝わってくることも多くて全部は思い出せないけど、色んなことを教えてもらった。
「これからはない、今しかないよ。」
「もっと相手の目を見たほうがいいよ。」
「内側からハグしてあげるんだよ。」
「今お腹空いてるよね、肉体があるって素晴らしいことだよ。」
そこから2人で景色をぼーっと眺めたり、鳥になって飛んでみたりしてあったかい空間に存在していた。
それからひとつ「私」にお願いをしてみた。
あの人に会わせて欲しいと。
そうしたら目の前にいた「私」消えて、その人が現れた。顔はぼんやりなんだけど、はっきりその人だと分かる感覚。
「ちゃんとお別れ出来なくてごめんね。」って言ったら、その人が「それは別にいいんだ。ただずっと心配だっただけ。」
「今までありがとう。」ってハグしたら消えていってしまった。とても短い時だったけどすごく幸せだったし、お別れが言えてスッキリした。
「これで大丈夫でしょ?」って目の前に戻ってきた「私」に言われて、「うん。大丈夫だね。」って言った。

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